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なにもないよ

家と社会、そして御社


あまりに情けないので、僕は情けない音楽を聴くのが趣味だ。
情けない音楽はとてもいい。それを誰一人として好んで聞かないところが素晴らしい。まるで素の自分を見ているようだから。僕は本当のところ醜悪そのものだ。僕はこの不快な音楽を聴くことで僕自身を罰しているのかもしれないと思う時がある。そして僕はこの一風変わった音楽を、誰のものにもしたくない。
世の中なんかに分かられてたまるか。僕のこの辛酸を、お前らごときに分かられてたまるか。

そして僕は人とうまくやることもできないので、たまにこの楽しげな人たちと仲良く話す権利さえないように思う。そうして僕は、そういう人と距離を置きたくなる。仲がよければよいほど、僕は彼らと遠い距離にいたくなる。それは当然そうあるべきだと考えるから。
僕はいつか大きく彼らを傷つける気がする。彼らを深く失望させる気がする。本当は僕は隠れているだけだから。彼らはそれを知らないだけだ。
彼らは楽しく生きていくべきだから。僕は彼らとは違う。それは勿論悪い意味で。
見えないところ。そこに僕は立っている。そいつは勿論家の中に隠れている。部屋の中でヘッドホンをしている。或いはそいつは欠陥したモノへの深い執着の中に隠れている。飽くなき過去への憧憬の中に深く根を張っている。

情けない僕は、情けない弱音を吐きながらここから退場する。
乗っている飛行機から、この東京というメタファーに別れを告げたい。
飛行機が加速した拍子に、僕はこの物体が壁に突っ込んで粉々になればいいと思う。
離陸したその瞬間、僕は深い悲しみに暮れる。
飛んでいく。僕はここに二度と戻ってきたくない。重力が一瞬なくなり、白い雲の中へと突入していく。その時僕は、一瞬だけ夢を見る。

書きかけた文章がある。大事な人に宛てた二つの文章。一つは物語調に書いた。一つは単なる手紙。
でも、それもきっと僕の深い欠陥が生み出した恐ろしいノイズだ。僕はそれを書ききれるほどの気力がもう残っていない気がする。迷惑に思われたくない。もう僕は世の中のあらゆる全ての人に対して申し訳ないなんて思いたくない。

誰かが僕に会おうとしてくれる。別の誰かは僕に語りかけてくる。家に帰るとシーツがある。
僕は二つの狭間を行ったり来たりする。過去への埋め合わせを求める自分、現在の不明瞭な愛情を受け切ろうとする自分。
怒りに悶える自分、それを申し訳なく思う自分。
大好きだと思う自分、大嫌いだと思う自分。
死にたい自分、生きなければならないと思う自分。
死ねない自分、死にたい自分。
僕は一体なんなんだろう。

外に出ると夏の初夏の匂いがする。
特別何かいい思い出はない気がする。
でも本当はそうでもない気もする。今思い出せるのは5月の夜の匂いだ。僕は今出川のマンションの外にいる。誰かの帰りを待っている。そして今は、僕は僕の帰りを待っている。
虫の音がする。生きていかなければならない自分がいる。

街を歩けば多くの義務がある。働く義務。生きる義務。人と話す義務。嘘をつく義務。お金を生み出す義務。何かに貢献する義務。優しくする義務。常識に沿う義務。嫌われないための義務。
僕は歩かなければならない。流されて生きたくはないけれど、そのまま立ち止まるとクラクションが響く。
目の前の血を見る。目の前の肢体を見る。バラバラになる夢を見る。

僕は生きたくない生き方を歩む。
僕は生きたくない生き方を歩んできた。
僕は操作され、道具にされ、おままごとをやらされる。僕はもう何も信じない。だけど、僕は今あるものを信じたい。全ての愛情を信じることで、今ある僕を信じたい。
影が僕を追ったって、僕は僕を信じて生きていきたい。
部屋から出たい。そこに僕はいたくない。でもせめて感謝して部屋を出ていきたい。どんなものであれ、今だけを見ていたい。過去への欠落を埋めることを捨てたい。親と自分を受け入れたい。
つまり僕は僕をコントロールしたい。相反する二つの感情をもうやめてしまいたい。せめて殺せないなら、いっそ早く死んでしまいたい。

何も伝えられない。言葉が出ない。
何か伝えたい。何か一つでも分かってもらいたい。
分かろうとしてくれたら嬉しい。部屋の中で、家の中で、その深い根の中で、僕の声に耳を澄ましてくれたら僕は嬉しい。
泣きながらシーツを敷いてくれること。怒りながら笑ってくれること。怒って泣いて謝られること。二度と戻らないこと。
僕は過去へと逆走する足を止めたい。止められない。引き返す。引き返せない。引き返してはなぜか謝る。咎めては謝る。何もできない。何も言えない。何も伝えられない。全ての荷物は背負ったも同然だ。僕の人生はその延長にある。
僕にはその時権利なんて何一つなかった。家族なんておままごとだ。人間なんて全て演劇だ。社会なんて全てドラマを夢見る虚しい虚飾だ。
僕はクソだ。それをその部屋で僕はしかと理解する。僕に近づいてくる人を見れば見るほど、僕は当然のように自分のことをクソだと思う。情けない。
でも愛したい。愛さなければならない気がする。だけど愛せない。受け入れたい。だけど受け入れられない。
生きていきたいけれど、もう申し訳ないなんて微塵も思いたくない僕は、やり直すために早く死んでしまいたい。こんなところで、僕はこんな人たちと会いたくなかった。

伝えられない。だけど伝えたい。
僕がもし頭がよかったら、明るく生きていく方法を模索したかもしれない。でも僕はあまりに頭が悪い。できること、できないことの区別もつかない。
死にたいなんて、バカでも言える。
そこに虹を見るから素晴らしいのに。そのための頭だったはずなのに。
何をしてでも取り返そうとする。そして勿論それは人を傷つける。でも同様に僕も傷ついている。謝る。血が吹き出る。謝るべきは僕なのか?

伝えられない。だけどどうしても伝えたい。
誰にも話したくない。だけど伝えたい。
ももしかしたらこんなことが言いたいわけでもない気がする。
僕は全てが理解できない。
自分の甘さを、欠陥を、全てのものにあてがっているだけだ。
だから僕は、ただ虚しいだけの音楽が大好きだ。
生きることを決定しようとするこの活動で、僕はそこに過去からの連続を見出します。
僕は何よりそれが苦しくてたまらない。
嫌で嫌でたまらない。
そして自分が嫌で嫌でたまらない。

3.15.2017


3月15日、天気は雨のち晴れ。とても寒い。風が荒れ狂い、僕は昨晩の睡眠薬に酔っていた。


日記。

忘れないうちに早く書いて、早く寝よう。気分がいいこと。そして感謝。

勿論最初はくだらないこと。


朝早くから学内の会社説明会へ。

いつもと変わらない圧倒的無を感じる2時間を存分に堪能した。


説明会後はサークルのライブに顔を出した。

みんな楽しそうにライブをしていて、後輩たちが誰かと楽しそうに話しているのを遠目に、僕はみんな一生懸命生きているのだなとしみじみ感じた。

僕にも確かにああいう時代があった。


ある後輩が、僕が随分前にやった曲を演奏してくれた。少し泣きそうになった。

その曲を好きになってわざわざカバーしてくれたこと。

それを歌ってた当時の僕に感動してくれたこと。


僕はそれを聴きながら、当時仲良くしてくれていた人のことを思った。その時の楽しい生活を思い、その時に感じたいろいろな事を思った。


ファミリーマート

朝ごはんのパン。あんぱんが嫌いなんでしたっけ?

御所の夜明け。

一緒に歩いた四条烏丸から五条までの道。

マンションのエントランス。

部屋の匂い。

真っ暗な部屋の中で浮かぶスマホの灯り。

そこで弾いたおんぼろのギター。

寝返り。

カーテンから差す朝日。 

寝返り。

鳴り止まないスヌーズ

できるのなら止まらないで欲しかった。


あの頃は楽しかった。心から楽になれた。

なんでもないこと全て。

できるのならもう一度あそこに戻りたい。

早く帰りたい。


世の中は理不尽だ。悲しいほどに理不尽だ。

どうしようもない。

全くもって理不尽だ。なんでこんなにおかしいのだろう。どうにかしてほしい。


少し幸せで、眠れなくなる。

僕にも楽しかったことがちゃんとある。

今はなくても、あの時は幸せだった。何もなくても、ちゃんと幸せだったんだなぁ。

早く寝よう。ちょっとだけ気持ちがいい。

ちゃんと楽しかったことがありましたよ。

よかったです。大学に入って。

本当によかったです。



3.13.2017


3月。何日かは忘れた。理由は何日にも渡って日記を書いていたから。

少し疲れ気味。天気は晴れ。

風が強くてとても寒かった。目の下のクマが日に日に酷くなるのと同じように、昼に感じる春の兆しがどんどん酷くなってきた。

本当に嫌になる。


知らん間に眠っちゃって

嫌なとこ着いちゃって

新宿はどっちだった?って聞いたら

甲州街道だよ、って。

そんな感じで僕もいい感じの企業に入りたいのだけど。

でもそれが本当の気持ちであるかは分からない。

本当の気持ち。


我が親愛なるSuiseiNoboAzが新曲を発表した。

歌詞が本当に切なくて、何回もリピートして聴いている。


愛する人の為に  毎日汗をかいて働こう

生きていこう  幸せになろう

have a nice day,Babylon 東京

いつかまた新宿に来ることがあったら

泥臭い川べりでビールを飲もう

いつかliquid rainbowがやってきて

俺たちみんなを助けてくれる


今までの作品を俯瞰してみると、なんとも哀愁のある歌詞だ

今までがあるからとてつもなく染みる。


最近色んな人に会って話していると、自分だけがズレている感覚を覚えてしまいなんとも虚しい。

自分一人どんどん気持ちが高揚してきて、それに伴って頭も興奮し、だんだん話がおかしくなってくる。

話すテンポがおかしいし、気づいたら自分が一体何を話しているのか分からなくなってくる。酷い時は言葉の語法も気にせず、ただ誤った日本語をひたすら乱射する茶番と化している。


喋っているうちに薄々自分が泥沼に溺れていってる感覚は伝わってくるのだけど、もう自分ではどうすることもできないところまで浸かってしまっている。

やっぱり僕は何かおかしいのかもしれない。

もっと上手にやりたいのだけど、やり方がよくわからない。

せめて自分だけでもいいから、この違和感を感じないようになりたい。

じゃあ何も喋らず、普通に落ち着いてそこにいたらいいんじゃない?

そうじゃない?

なんで僕は普通にその場にいれないのだろう。


喫煙所でタバコを吸っていると、どこを見ていたらいいのかが分からなくなるのと同じように。

電車に乗って車窓を見ていると、多くの人間の目がそこに存在していることが怖くなるのと同じように。

ただ普通にその場にいたらいいんじゃない?

そうじゃない?


どんなに自分が惨めに思えても無為に続いていく人生は、あらゆる惨めな物事の代表だよなぁ。

どれだけ惨めでも友達はそこにいるし、どんなに惨めでもそこに家族はいる。どんなに惨めな生活でも、それ自身は永遠に続いていく。


いくらみっともなくても泣いちゃダメなんだぜ?

そりゃそんな姿、最もみっともないからね。

でも本当にそうなのだろうか?

元を返せばみっともなさ過ぎるが故に泣きそうなのに。


Mors principium est.

Death is the just beginingという意味のフィンランド語らしいのだけど、たしかに死は本当の意味での救済になりうるかもしれない。


先週はよくわからない企業の説明会に二つ行った。

そこで僕はずっとお姉さんの大きく膨らんだ胸を見ていた。なんであんなに目立つような服を着たのだろう。説明が全く入ってこない。

お姉さんはとてもスラッとした美しい体型だったが、なぜか顔や目は丸っこくて、丸メガネがよく似合っていた。だからなのか体型に似つかない可愛らしさがあって、僕はそれに心揺さぶられた。なんでだろう?元々は太っていたのだろうか?

鼻はちょっと丸くつぶれていて、髪の毛をくくる時に余ったアホ毛がおでこの所々からはねているのもよかった。


彼女はよく自己実現、成長と言っていったけれど、痩せるための自己実現、おっぱいの成長。

この二点を鑑みればとても筋の通った言い分だ。

帰りにネットでその企業の評判を調べてみたが、最高にイカした書き込みが多く見られた。

世知辛い

この世の中、あんな綺麗な女の人のおっぱい一つさえ信じられないのか?


そういえば随分前の学内説明会で、これまたスラっとした可愛らしい女性が細くて綺麗な声で一生懸命不動産の説明をしてくれた。その声があまりに綺麗だったから、僕は鉄琴の音を想起した。

彼女のTシャツの端から見える鎖骨はとても綺麗で、それも相まって彼女は僕にとても清楚な印象を与えた。

そんな綺麗な人が説明の合間にサッとお茶をラッパ飲みし始めたものだから、僕は興味もないのにすぐその会社にエントリーを出してしまった。

今では少し後悔している。


一方、別日に行ったもう一社の人事は27くらいの兄ちゃんで、変な笑顔と変な唇で嘘くさい営業の素晴らしさを説いていた。

そんな彼との三時間で僕は清々しいくらい綺麗に失禁した。

やっぱり男の人事は鼻から信用ならない。

僕は”エントリーをしない”の項目に丸をつけ、理由の欄に胡散臭いと書いておいた。


性格が日に日に悪くなっていることを自覚する。

本当に嫌になる。

鏡に写る自分は髪が短いし、目が死んでいる。髪が短いことはさして問題ではないのかもしれないけれど、一メタラーとしてこれはとても異常なことだと感じる。

まるで徴兵されに行く人みたいじゃないか。


説明会で熱心にうなづく人を僕はどう見ればいいのか分からない。酷く胸がざわつく。

自分の両親の顔がちらつく時、目に涙が溜まってしまう時もある。

しかしあれこそが生きていくことなのだ。

生きていく。生きていかなければならない。

でもそれにしたって僕はやっぱりあの空気感が嫌だ。


相変わらずだよ  好きなようにやってる

ガタガタガタガタ言われるけどね

あの頃のことを覚えているか?

今気温はどんどん上昇していく

通りにいろんな食い物の匂いや  夏草の匂いが戻ってくる

何万キロも走ってきた後の  お前はまるで消しゴムのカスのよう


liquid rainbowがやってきて  俺たちみんなを助けてくれる

liquid rainbowがやってきて  俺たちみんなを助けてくれる

花は枯れ  風が止まり

恋人たちが消えた後に

liquid rainbowがやってきて  俺たちみんなを助けてくれる


愛する人に捧げるために  毎日汗をかいて働こう

生きていこう

幸せになろう

have a nice day,Babylon 東京

いつか新宿に来ることがあったら

泥臭い川べりでビールを飲もう

いつかliquid rainbowがやってきて

俺たちみんなを助けてくれる


そうだよ。

できれば変わらず好きで居続けたい。




3.1.2017


3月1日、天気は曇り。晴れているようで雲が多い。

少し気分が落ち込んでしまう。


朝10時に起きた。昨晩の酒が残っているのか、頭がぼんやりとしていた。

昨日は深夜になっても今自分が生きている実感が全く伴わなかったので、夜更かしをしてみたが、自分が今まさにここにいる感じが微塵もしてこなかった。

今は午前4時で、僕は何もせずにベッドにいる。

その事実さえよくわからなかった。

やることはあるはずなのに部屋に立って方々を眺め、廊下を歩いては洗濯物を眺める時間30分。

ギターを弾く時間1時間。それもnumber girlのI don't knowだけをひたすら弾く。


あの娘は今日も  夕暮れ族で半分空気

笑って走り出す

分かってない 分かってない 分かってない 分かってない 分かってない


それを交互にしているだけでゆうに6時間は費やした。


寝るタイミングになるといろんな人の顔を思い出した。

あんな人もいたしこんな人もいた。

家族もいたし友達もいた。

中学生の時の人もいれば幼稚園の頃の人もいた。

夢を見た。仲のいい人たちが笑って、そこへ抜けたり入ったりしていた。

僕はずっと笑っている。

夢分析。記憶の整理、未来への願望、過去への失望。

心理学、もう少しちゃんと勉強すればよかったな。


朝から隣の部屋のセックスがうるさかったが腹は立たなかった。

部屋が汚いことにも腹は立たなかったし、空腹である今にも腹は立たなかった。

文字にすることも話すことも馬鹿馬鹿しいので、きちんとした言葉を話す気が失せた。

今は起きてすぐなので気分がいい。だから先に日記を書いておく。

あくまで予定の。


就活がはじまった。

楽しみだ。心が未来へと浮かれている。

でもそれは本当に?

僕は寝坊をしたが、しかしその一方で行きたい企業の講演には行ける時間ではあった。

けれど行くのも面倒くさくなってやめてしまった。

大阪南港。なぜ僕は京都の実家にいない?ここは下宿先京都。実家からだったら安く行けたはずなのに。 

隣のセックスを壊してやりたい。

それから僕はお風呂に入り、髪を乾かして綺麗にヒゲを剃った。朝ごはんは食べるのが面倒くさくなってとばした。

一人で近鉄に乗って桑名市に行った。三重県桑名市

何をしにきたか自分でもよくわからなかった。

駅の看板を見て、それからしばらく遠くの景色を見た。

空は晴れていて、綺麗な夕焼け空だった。

改札を出て歩いていると、何人かのスーツ姿の学生とすれ違った。

そこで僕は完全に文字を書く気がなくなった。

というよりももう続きが書けない。

言葉にはもはや意味がない。


悪いことは重なるなぁ   苦しい日々は続くのだ

赤い夕日が照らすのは   ビルと日々の影だけさ


それで?

だから一体なんなんだ?




2.28.2017

 

2月28日、天気は晴れ。外に出てないから詳しくは知らないけれど、タバコを吸いに外に出てみたらひどく晴れていて気持ちが良かった。

春の匂いがして、太陽の匂いもした。

 

天気が良いだけで、そしてその匂いを嗅ぐだけでこんなに気分がよくなれるのなら、僕はどこでだって働けるのかもなと思った。

全くうまくいっていない就職活動中の今でさえそう思うのだから、ただ労働をするだけの社会人なんてより晴れている喜びを味わえるだろう。

メーカーも受けてみようかな。

 

もしかしたら僕もそういう幸せを享受できる人間なのかもしれない。

仮にそれが一般的なものではなくても、天気がよくてご飯が美味しくて、そして少しだけ自由に使えるお金がある。それでいいじゃないか。

僕にはそんなに莫大な時間なんていらなくて、お金とちょっとした心地よさ、それに余暇を楽しむためのほどよいストレスだけがあればいいのではないか。

でもどうだろう。そこのところはあまり自信がない。したいことはある。

ただ一人で生きていくためのお金が欲しい。

誰にも邪魔されないためのお金。もう誰にも会いたくない。

ずっと何かを発散するための活動を家に篭って一人でできたらそれでいい。

 

15時過ぎまで寝て、それから本を読んだ。

ご飯を食べないといけないのに外に出る気がしなくて、ずっと家で過ごした。

生きている上でやらなきゃいけないことは多いけれど、僕はそのどれもにやる気を感じなかった。

別にどうでもいいと心から思った。

 

明日から就活解禁ということで、やたらとメールが来る。

何もかもが押し寄せてきて僕に何かを伝えてくるけれど、どれも読まずにゴミ箱に捨てている。

情報情報、優良優良。数が多すぎて、何もかもが無意味に思えてくる。

 

疲れているだけだと信じたいけれど、就活をやめるわけにはいかない現状が腹立たしい。

特別自分に落ち度は感じなかったし、かといって他の人の素晴らしい点も感じられなかった。なのに僕が落ち続けるのは僕に落ち度があるからだろう。

しかしなんの落ち度? 経歴? 明るさ?

僕にはまったくわからなかった。

 

押し付けがましい自分の論理も、自分の話している内容も、もう全てに嫌気がさしてしまう。

黙ってしまいたい。書くことも話すことも。

疲れているだけだろう。早く寝よう。お腹は減っているけれど。

 

 

2.23.2017


2月23日、天気は曇り時々雨。

朝、外に出ると雨の匂いがした。とてもいい匂いだった。


今日はお昼にバンド練習をしに大宮へ。

久しぶりにやる人たちばかりで楽しかった。バンドをやるのは本当にいい。

真面目に練習をするというよりは音楽を使って友達を作るみたいな感覚で、いかにも大学生のサークルという感じがする。

ダサいっちゃダサいけど、居心地が本当にいいので自分の中ではセーフ。

練習マジでしてますって言いながら結局就職するヤツの方がダサいと思っている。


そのまま練習が終わったらカフェに行ってESを書く。

次は夜12時からまた別のバンド練。ESなんて所詮ただの時間つぶし。

特に力を入れたこと、の欄に変なものを埋めていたく満足する。

回を重ねるごとに書くのが上手くなっていってると思いたい。

自己プロデュースって本当にダサいし、無意味な気しかしないけれど。


眠い。

眠い以外に語ることが特にない。

日記を書く必要を感じない。

でもこれは継続だから仕方がない。

続けていけばそんな日もあるよなと思う。


今から少し寝たらすぐに起きて、その日中に郵便局に出さないといけない書類を仕上げなければ。

でも仲良い人といるのはいい。なんなら書類さえ出さなくていい気がしてくる。

最近、働きたいというか社会から認められたい一心で就活している気がするし、大卒の特典として就活をしている気もする。

それは大学生が卒論を書くのと同じ感覚?

だから僕は一旦就活してみてその企業が気に入ったらそこで働けばいいと思うし、嫌なら嫌でそこからどうするかを考えたらいいと思っている。

そんな風に僕は就活をしていきたい。


とにかく眠いな。夢が見たい。少ししか寝れないから。ちょっとでいいから楽しいやつ。

夢の嘘は後腐れがないけれど、現実の嘘は最後まで胸糞が悪い。

社会は本当に何一ついい嘘をつかない。

それが大人ですなんていう逃げ方、いい代表例だよな。




2.22.2017


2月22日、天気は晴れのち曇り。 
朝は陽射しが暖かくて気持ちがよかった。時間が経つにつれてどんどん厚くなる雲に、僕はお母さんの機嫌を思い出した。

朝から梅小路公園に行って散歩をする。
散歩をしていると隣にある京都市水族館のイルカショーの声がよく漏れてきて、僕はそのイルカショーに行って文句を言いながらすぐ帰ってやりたい気持ちになった。

平日なのにたくさんの人が芝生で遊んでいて、修学旅行かなにかの小学生は逃走中をやりたい人を募集していた。
本当は僕もその輪に混ざってワイワイしたかったのだけど、既に現実から逃走中だったので、そのまま梅を見てお昼を食べに京都駅に向かった。

いつも思うけれど、自己PRに書くべきものが見当たらない。
企業は本当にそんなものを200字で書けると思っているのか?
200字では書ききれない魅力こそが僕の強みですって書いちゃいたい。
どうですか?

大学で頑張ったこと。これも大きな問題だ。本当に何もない。
無駄な時間を極めに極めたり、嫌なことから逃避し倒したことだけは頑張った。
でもそもそも仕事は無駄な時間であり、人生自体が無駄なことの積み重ねなのだから、無駄を極めたこの僕が有能な人材であることは言うまでもない。

一回会社説明会か何かで、人材を人財と表記することをご丁寧に自慢されたことがある。
何を言っているのかよく分からなかった。
それなら全員採ればいい。財力は多い方がいいに決まっている。

ここで僕が提案したいのは、人罪についてである。
人は罪深き存在であり、必ず罪を犯すのだ。
それを如何に許していくか。それを如何に愛せるか。
その許容量こそが人間としての正常さじゃないのか?
綺麗な見せかけなんて必要ない。人材は人材であり、だからこそ採用活動が存在するのだ。
それで全てが緩和されると思わないで欲しい。
自分たち企業側の行為を純化しないで欲しい。この活動は終わっているのだから。終わっている。きちんと自覚してほしい。

晩御飯を食べながらドラマを見た。中々心苦しい回だった。夫婦って難しいんだなぁ。あそこの家族に子供が産まれたら、きっと僕みたいなものが出来上がるんだろうと思った。
スーツ姿で靴下を脱ぐクドカンに、自分の父が重なって虚しくなった。松たか子は丁寧に靴を揃えていた。
寂しい。人間は孤独が前提だ。

家に帰って友達と電話をした。
久しぶりの電話だった。懐かしかった。いつもと同じ口調だった。
話を聞いていると、いつも通り彼はとことん損をしていた。
呼吸をするように損をして、何人たりとも彼を救おうとしなかった。優しさに殺されて、優しさに裏切られている。
しかし彼は優しくせざるを得なかった。そこには彼の自由意志は存在しなかった。もうそれは習慣として、ただ無意識に彼の心に働きかけてしまう。
「ただ黙ってそこから立ち上がる」しか選択肢を与えてもらってないのに、仕方ないと割り切れる賢明さを、たとえ無理だとしてもそのフリに一生懸命徹する切なさを、一体誰が気づいてそれを評価するのだろうか?
人間は孤独が前提だ。

彼と別れた後、また別の友達から電話がかかってきた。
就活の話だった。半分寝ぼけて聞いていたので、自分が何を話したのかも忘れてしまった。
落ち着く声だった。

明日はちゃんと晴れて欲しい。それはそれは晴れて欲しい。晴れてしまったと思うくらい晴れて欲しい。
そうじゃないと世界はつまらない。