読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

名前をつけてください

なにもないよ

飢餓

「わたし、大型トラックが運転したいのよ。すごく綺麗なの。キラキラ光ってとっても大きいんだよ。あそこの荷台を部屋にして、間接照明に囲まれて暮らしたいの。」 ある時期付き合っていた彼女があまりに大真面目な顔をしてこんなことを言うものだから、僕…

天才

梅田の街でストリートミュージシャンは歌う どこかで聞いたJ-POP そこに群がる女子高生 巨大なバスターミナルがお出迎え 誰もお前なんて必要としてねぇよ くだらない文章書き連ね わけのわからん象徴と暮らす日々 揺れる電車は苦い思い出と虚ろな目 とんで…

フィクションは河合隼雄のくしゃみがする

背の高いすすきが生い茂るあの丘の上に、ヤツは立っている。 陽の光を浴びて、少し背を丸めて、眼下に広がる綺麗な海でも見ているのだろうか。 風の中を歩いている。 無関心を装うこと。それは酷く難しいがなんとも生きやすい。 俺は嫌になった。 ああ。 「…

夜が明ける前に 2

僕はジョシュ・スコットの小説がなにより好きだ。 その理由は至って単純で、彼が書く小説の主人公が毎回突然人を失うからだ。 それは昨日までいつも横で寝ていた女の子が、あくる日目を覚ますとその場からいなくなっていて、いくら連絡をつけようにも電話が…

夜が明ける前に

たとえば53階のビルは程遠い。 ヒトラーの肖像画を抱えるにはあまりに脆い。 誰も知らないどこかへ行くには遅すぎたし、悲しみに暮れて泣くにはまだ早い。 秋に中間点は存在しない。 そこにはただ夏の終わりと冬の始まりだけがある。 冬は何事もなかったか…

俺は流れゆく車窓を見ている。 何かいいアイデアが浮かんだら、それはきちんとメモしておかなければならない。 水に浮かぶ泡のように、それは恐ろしい速さで水の集合に溶けていく。 俺だけじゃない。きっとエジソンだってそうだったはずだ。 いや、そうであ…

ひまわり

僕はこれで6回死んだことになった。 それは昨日の晩、突如報告された。嫌に気怠い、暑い夏の夜だった。 それで何かが変わればと僕は思った。 それでも僕は僕のままだった。死んだ後も死ぬ前と何一つ変わらない僕のまま。 少し変わったとすれば、それは夜の時…

殺人

険しい顔の人が何名か、画面の向こう側で合図している。 それはあきらかに非日常であり、おそらく危険信号である。 そのとき僕は、この人たちの発信信号の意味を考える。その発信信号の行く先を睨んでいる。 僕が一番悲しく思うのは、遺体に囲まれたその情報…

聞こえているのか、教えて欲しい

どこのどいつが何を言ってもどうせ無駄だろう。 お前は心の底から、自分のことがクソだと思っているのだから。 いい加減分かってくれ、ゴミ屑野郎。 お前が求めている答えなど俺にも、そしてお前自身にさえも分からない。 なぜならそんなものは、正確に言う…

三山木

いつの間にか夜になってしまった。 疲れのせいからか夕方に寝てしまった。 雨が降っていた。 胸に何かつっかかたような、人に伝えるとしたらそれはおそらく悲しい気持ちが心の一面を覆っていた。 外はすっかり夏の夜の匂いだった。 めまいがした。 僕はこれ…