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なにもないよ

 

恥ずかしい。とても嫌な気持ちになった。

 

それは前回書いたブログの記事である。

酒で酔った勢いそのままに投稿したそれは今読むと赤っ恥も赤っ恥だ。

どこぞのポエム野郎と似たような書き出しで、平和ボケも甚だしい、気持ちの悪い記事である。

 

よくあんなものをOKとしたよなと自分でも思う。

自分の感性にはある程度の自信があっただけにとてもひどい気持ちだ。

なによりあの時僕はそれをいいと思ったのだ。なにがセンスだ馬鹿らしい。

 

 

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僕の友達はよく「男は顔じゃねぇ。人柄だ。」なんて言う。いや、それならそれでいいんだけどそれじゃモテない僕は人柄も顔も全部終わっているのかと思う。

全然フォローになっていないフォローはもはやナイフそのものだ。

 

でも僕はそれに対して「そうだよな。頑張るよ。」と返事をする。

こんな返事ができる僕でもまだ人柄がダメだというのなら、それはもう希望もなにもないじゃないか。もし僕に子供ができたら諦めることがすべての近道だと教えるつもりだ。

 

もちろん僕の友達になるようなやつだから案の定そいつは戦歴2戦中0勝2敗で、一回だけ、本人談だと全く可愛くない女の子と高校2年の頃告白されて付き合ったらしいのだが、やらずに2週間で別れたことを大学2年になった今でさえも悔やむような男で、めでたく今年の春風俗でDを捨てた男である。

 

 

こんな僕の日常がもしリアルだと言うのなら、世界は本当に希望もなにもない。

 

 

 

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 台風が近づいている。風が強い勢いで吹き荒れ、傘は翻り、髪はぐちゃぐちゃだ。じめじめもしている。セッティングなんて無視してすべてが汗で台無しだ。

 

今日の僕をいつもの僕だとは思わないでほしい。僕はもう少し、もう少しいい男なのである。

 

 

そんな今日の帰り道、授業教室を出るとそこに広がっていたのは風で翻弄されている人々だった。なんと女の子のスカートが暴風でめくれているではないか。

 

一体どういうことだ。台風が近づいていることなんて最初からわかっていたことじゃないか。風でスカートがめくれる可能性なんてどんなバカでも頭には浮かんだはずだ。なんでそんなひらひらのスカートを履いているのだ。

 

 

僕の今日の最終コマは学科の必修授業で、ちょうどそれが5限目にあることもあってその授業が終わると皆家路につくのだが、教室を出て行くみんなを見ていたら僕は急にとても不安になった。

 

あの子は今日スカートを履いてはいないか。

 

僕はなんだかとても悲しくなった。

僕の頭に彼女のスカートから伸びる細い足がどんどん露わになっていく様子が浮かんだ。

許せないと思う。もし他の男が彼女のパンツに興奮するなんてことがあったなら。

なんて悲しい世界だ。僕だってまだ彼女をおかずにしたことはないのだ。

 

 

どうか彼女のスカートだけはめくれないでほしい。

守ってあげるから。僕はそう思って、下宿をしているから全然帰路には関係ない駅の方角へと歩を進め、あまりつけたがらないメガネを装着して風でスカートを抑える君を血眼になりながら探すのであった。

このようにして僕はまだ話したことのないかわいいお人形さんをまたひとつ知るのである。

 

 

 

 


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