たとえば53階のビルは程遠い。 ヒトラーの肖像画を抱えるにはあまりに脆い。 誰も知らないどこかへ行くには遅すぎたし、悲しみに暮れて泣くにはまだ早い。 秋に中間点は存在しない。 そこにはただ夏の終わりと冬の始まりだけがある。 冬は何事もなかったか…
俺は流れゆく車窓を見ている。 何かいいアイデアが浮かんだら、それはきちんとメモしておかなければならない。 水に浮かぶ泡のように、それは恐ろしい速さで水の集合に溶けていく。 俺だけじゃない。きっとエジソンだってそうだったはずだ。 いや、そうであ…
僕は19の時に、簡潔に言えば事実上実家を追い出された。 それは僕のせいでもあったし家庭のせいでもあったけれど、僕の理解では間違いなく僕のせいだ。 それでも母は僕のことを愛しているという。そして僕も母のことが好きだという。 僕は家庭から追われるよ…
僕はこれで6回死んだことになった。 それは昨日の晩、突如報告された。嫌に気怠い、暑い夏の夜だった。 それで何かが変わればと僕は思った。 それでも僕は僕のままだった。死んだ後も死ぬ前と何一つ変わらない僕のまま。 少し変わったとすれば、それは夜の…
険しい顔の人が何名か、画面の向こう側で合図している。 それはあきらかに非日常であり、おそらく危険信号である。 そのとき僕は、この人たちの発信信号の意味を考える。その発信信号の行く先を睨んでいる。 僕が一番悲しく思うのは、遺体に囲まれたその情報…
どこのどいつが何を言ってもどうせ無駄だろう。 お前は心の底から、自分のことがクソだと思っているのだから。 いい加減分かってくれ、ゴミ屑野郎。 お前が求めている答えなど俺にも、そしてお前自身にさえも分からない。 なぜならそんなものは、正確に言う…
いつの間にか夜になってしまった。 疲れのせいからか夕方に寝てしまった。 雨が降っていた。 胸に何かつっかかたような、人に伝えるとしたらそれはおそらく悲しい気持ちが心の一面を覆っていた。 外はすっかり夏の夜の匂いだった。 めまいがした。 僕はこれ…
僕はその時「恋空」を読んでいた。 慶介という男が既婚女性である帆波に恋をするのだが、夜を共にした次の日から帆波と連絡がつかなくなり、帆波への思いが日に日に強くなった慶介は日を追うごとに外に出なくなり、お風呂に入らなくなり、ご飯を食べなくなり…
尾野真千子が結婚していたらしい。 朝起きてテレビをつけるとみんなが騒いでいる。 世の中、情報はいつも突然だ。 朝寝て起きると好きだった女優がセックスしていたりする。 僕は急にほっしゃんが心配になった。 彼は今元気だろうか。うまく笑えているのか。…
先日関西も梅雨明けした。いよいよ夏本番である。 みんながどんどん薄着になり、いつも楽しそうなやつらはどこまでもハッピーに見える。全員鈴木奈々である。 そんな僕はまだ大学生で、大学生の梅雨明けといえば期末試験に埋もれるわけだが、全く予定のない…
恥ずかしい。とても嫌な気持ちになった。 それは前回書いたブログの記事である。 酒で酔った勢いそのままに投稿したそれは今読むと赤っ恥も赤っ恥だ。 どこぞのポエム野郎と似たような書き出しで、平和ボケも甚だしい、気持ちの悪い記事である。 よくあんな…
こんばんは。 身バレしてしまったかとヒヤヒヤしたので新たに作りなおしました。 oppabuking、これなら誰もわからないだろう。 おっパブなんて行ったこともないけど。 でもそれでいい。 僕はね、最近もう何も分からなくなりたいと思ってるんですよ。 なんで…